むかしむかし。
ある国に、双子の兵士がおりました。

国家の兵士に志願して、まだ日も浅い彼らですが
周りの大人たちを圧倒する勢いでどんどん強くなり、
ぐんぐん成長していきました。

双子は、どこへ行くにも、何をするにも一緒でした。
いつも、ふたりで剣を合わせ、ふたりでチョコボの速さをを競わせ、
ふたりで笑っていました。


あのふたりは、一緒に強くなり、この国を支え続けてくれるに違いない。
周りの大人たちも、いつしかそう思うようになっていました。






あるとき、誰かが話の余興に、皆に訊ねました。

「もし、この国に大きな天災か何かがあって、
何かひとつしか助けられないとしたら、何を助ける?」




双子の弟は、こう答えました。
「家族を助けます。僕にとって、一番大切なのは家族ですから」

双子の兄は、こう答えました。
「ひとつなんて、私には選べません。私は、すべて助けたいです。」




双子の考えが異なったのは、これが最初でした。