ある日の御一行


ある日、ソルジャー御一行は
軽い食事にバーガーショップに寄ることになりました。



「メニューにあるバーガー全部。あとジンジャーエール。」
 
新たな味の研究のための注文でしょうか?
それともただ単に飢えないための注文でしょうか?
大量のバーガーに後ほど席にお持ちしますと店員さん。
アンジールは他のメンバーの注文が終わるのを待ちます。


「トマトバーガーナゲットセット。紅茶で。」

美容と健康に気を使うジェネシスは、
本当はがっつりと二つ三つ食べたい時でも注文もスマートです。


「照り焼きバーガーポテトセットとチーズバーガー1つ。コーラでお願い。」

子犬は子犬らしく、お子様に大人気のバーガーです。
しかし店員さんを口説いているのはいただけません。



3人はさっさと決めてしまいましたが、
こういう場所が初めてのセフィロスはどうしていいのか分かりません。

いつもなら神羅の最高のスタッフが、栄養面を計算して用意する
豪華な食事を文句もリクエストもなしに、黙々と食べるだけだったからです。

任務の時は流石に任務食でしたが、実はセフィロスの物は特別製でした。

カタログを見るわけでなく突っ立ているセフィロスに、
男性の店員さんは困った笑みを浮かべ、女性の店員さんは見ほれています。



ただつっ立ってるのを見かねたアンジールが注文の仕方を教えてくれました。

「ほら、この表見て食べたい物頼めばいいんだよ。」

アンジールはさっさとしろと、レジにある商品カタログをセフィロスに見せます。

「これか…。」

色が散乱しているカタログを見ても、
特に何かを食べたいと思ったことがないセフィロスは
やっぱり何を注文していいかわかりません。




そんな時。

ふと、メインカタログの隣においてあった、別のカタログに目が止まりました。

「…このセット全種類。コーヒーで。」
「ではこちらの中からセットの数だけお付けするものをお選びください。」
「これとこれと…」




ようやく決めた様ですが、何故か量が多そうな注文に
アンジールは首を傾げます。


「なんだぁ?あいつ何頼んだんだ?」
「知らないよ。とりあえず食べるものだろ。」

ポテトを口に詰まらせているザックスを横目で見ながら、
ジェネシスは興味なさげにいいます。
その手にはもちろん愛読書であるLovelessですが、
ナゲットの油で汚さない様にと紙ナプキンが大量に置かれています。



「…っ…うぐっ…はぁーっ!息出来なくて死ぬかと…。」
ザックスは言葉の途中で目が点になってしまいました。

それは丁度店員がセフィロスの注文した物を持ってきたところでした。


「どうした?ザックス。服に照り焼きのタレでも零したのか?」
「汚いな。さっさとトイレで落としてこないと染みになるぞ。」
アンジールは後の自分の洗濯の手間を考え、
ジェネシスは生理的に汚れが嫌なのでした。


しかしザックスはいつもの事なので言葉に反応することなく、
人差し指を突き出していますが、腕ごとブルブルと震えています。
「セ、セフィロスの…セフィロスのトレイ…。」
「セフィロス〜?」
ザックスの様子がおかしいので、言うとおり
セフィロスが注文した物を見てみました。

そこには…。




「「「キ、キッズセット〜!?」」」




黙々とバーガーを噛るセフィロスの前には、
セットのおまけのおもちゃが転がっています。
だらけた2匹のクマと黄色のトリの、巾着とプラスチックのカップです。

「なんだ?おまえこれ欲しかったのか?」
アンジールの問いにセフィロスは食べたまま頷きます。
ホットケーキを食べる英雄というのも、なかなか視覚の暴力かもしれません。

「お前なぁ。こんなんどうするんだよ。」
ジェネシスは呆れ、ザックスは何故か泣いています。
食べきれないと判断したのか、セフィロスはこっそりと
アンジールのトレイにポテトを一つ乗せます。

「…歯磨きとか…。あと飴入れたり…。」
もそもそとポテトを食べながら居心地悪そうに答えました。
「いいだろう、別に。欲しかったんだ…。」

「英雄が…英雄がクマ…。」
泣いてるザックスは気にもしてませんが、
ジェネシスとアンジールの視線は少し恥ずかしかったのか
僅かではありますが顔が赤くしました。

アンジールは仕方ないなぁと、頭を掻きました。
「まぁ、いいんじゃないか?こういうのは好き好きだからな。
セフィロス、お前口元ナゲットのソースでべたべたじゃないか。」

ナプキンでごしごし擦られ痛くて顔をしかめるセフィロスですが、
いいんじゃないか。と言われて少し嬉しそうでした。







---  お し ま い  ---



制作者様サイト